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マグネシウム

1.心臓にも影響
骨だけではない。心臓病でも、カルシウムとマグネシウムのバランスは注目されている。糸川嘉則・京都大名誉教授(衛生学)によると、欧州の研究者が、カルシウムとマグネシウムの比と心筋こうそくや狭心症。の死亡率が関連すると指摘した。

カルシウムをマグネシウムの4倍取るフィンランド、3倍強の米国やオランダ、2倍の旧ユーゴスラビアなどの順に死亡率は下がる。日本人のマグネシウムの目標摂取量は成人でカルシウムの半分だ。から、その通りなら2倍で、心配は少ない。

ところが、マグネシウム不足。カルシウムが過剰気味だと話は違ってくる。マグネシウムが細胞膜から出入りするのを調節する。マグネシウム不足で、カルシウムが細胞内で余分になると細胞の機能が値下、心筋こうそくなどにつながる。このほか、マグネシウム不足は大腸がんを招くとの研究もある。

骨に話を戻すと、カルシウムだけでなく、リンが多すぎても、骨の生育は悪くなる。五島さんによれは、日本人のリン摂取量は成人で1日1200mgから1300mgそれが2000mgを越すと、副甲状腺の機能を高める。

すると、副甲状せんホルモンが血液中のカルシウム量を増やす指令を出し、骨のルシゥムが血管に流れ、腎臓にカルシウムが沈着する。腎機能が悪化、ビタミンDの活性化がしにくくなり、骨の生成を邪魔することになる。
2.和食材が適切
「結局、3つのミネラルバランスをよくする食事がかぎ」と江指さん。リンは不足することは少ないので、カルシウムが多い乳製品や卵、魚介類と同時にマグネシウムが多い野菜や海藻などを上手に取る必要がある、という。

江指さんらは食品標準成分表から比較的カルシウム量が多く、かつミネラルバランスのよい食品を選んだ。カルシウム/マグネシウムが1から3程度、リン/カルシウムが2以下などの条件に合ったのは約1600食品のうち35食品だけだった。

その主なものは、豆腐、海藻、大豆、菜っ葉類などほとんどが和食によく使われる材料だった。
3.カルシウム過剰は逆効果
一方、カルシウム摂取量は増えてきた。国民栄養調査によると、厚生省が定めた日本人のカルシウム所要量(成人1日当たり600mg)に比べてまだ数十mg少ないが、これには水からのカルシウムが含まれていない。東京農大名誉教授(栄養学)の五島孜郎さんたちは1993年、東京都23区の水道水を分析した。

1リットル中のカルシウムは平均10.7mgだった。炊飯や料理、飲み水で少なく。とも1日3リットルは使うので、1人30mg以上は補え、カルシウム不足はほぼ解消されたといえる、という。五島さんは「逆に過剰を警戒し始める時期かも」と指摘、特に『骨そしょう症を気にして、牛乳やカルシウム補充食品を特別多く取る人は過剰の危険がある」と注意を促す。

カルシウムだけが多いと、骨が作られる際に鉄やマグネシウムが。使われにくくなることが動物実験でわかっており、骨の生育が悪くなると考えられている。
4.ミネラルマグネシウムも骨の主役
東京朝日7月2日

日本人に足りないミネラル(微量栄養素)といえば、カルシウムと永らく言われてきました。骨がもろくなる骨そしょう症予防などのために摂取が強調され、牛乳やカルシウム強化食品の普及が進みました。

しかし、最近、専門家の間ではむしろ、取りすぎが懸念され、逆に、足りていると思われてきたマグネシウムの不足が指摘されています。健康な骨に欠かせない、ミネラルのバランスを考えてみませんか。(編集委員・田辺功)

「しっかりした骨を作るにはカルシウムだけではだめ。マグネシウムも重要」と、国立健康・栄養研究所の江指隆年・応用食品部長はいう。マグネシウムは三大主要成分のカルシウム、たんぱく質、リンに続く骨の重要成分だ。

ビタミンC、D、K、亜鉛、鉄などと同様、骨を作る過程でも動いている。とくにビタミンDを体が利用できる活性型に変えるのに不可欠で、不足は骨そしょう症を招く。

日本人は、野菜や穀物、豆、魚、海藻など。に多いマグネシウムが不足するはずはない、と考えられてきた。ころが戦後、食事の欧風化や精白度の高い殻類が取られるようになって、マグネシウムは減り、不足がちになっている、と江指さん。精白後のマグネシウムは、米では七割減、小麦で九割滅になる。
5.マグネシウムを、どれくらいとっているか
糸川教授が都市型食生活の京都市内と、農漁村型食生活のマグネシウムの摂取量を調べたところ、農漁村型の方がマグネシウムを多くとっていることが分かっています。

『都市型食生活は加工、冷凍食品が多いのが原因で、特に都市の女子大生は、1日200ミリグラム以下がほとんどで、危険信号です』と警告しています。

インスタント食品、加工食品の増加でマグネシウムの摂取量が少なくなった』という報告があります。日々の食生活の中でバランスのとれた食事を心がける必要があります。

昨今では、食生活が豊かになり、栄養のバランスを意識しなくなっただけでなく、特に便利さと美味の加工食品や動物食品を偏食しやすくなり、昔ながらの穀類や野菜中心の食事が敬遠されてきています。

そのためカロリー栄養素の過剰、ビタミン、ミネラル、徴量元素の栄養欠乏が起こり、様々な病一気の原因となっています。
『1日30種類の食品を』と厚生省は呼びかけていますが、緑黄色野菜を充分補給することにより、バランスのとれた食事に改善することができます。

不足分は出来る限り「食物」でとりたいのですが、食物からだけでは充分に補えないところがあり一栄養補助食品などの利用は、家族全員の健康管理を預かる主婦の知恵ではないでしょうか。

新聞記事より
6.ビタミン・ミネラルのバランスを
食べ物から摂取されたビタミンやミネラルは、それぞれの釣り合いがとれて相互に協力し、初めて完全な作用を発揮します。ミネラルはビタミンの働きをよくし、生体の機能維持に無くてはならないもので、特に血液や骨の生産に欠かせません。

徴量元素は酵素やホルモンなどの成分となったり、それらの活性を高める主要な作用を持っています。私達の食事には、ミネラル・徴量元素・ビタミン・蛋白質・脂肪・炭水化物などバランスよく整っていることが大切です。

これらのバランスが崩れると体調が悪くなり、そのまま進行すれば病気となります。日頃私達の食生活で不足しがちなミネラル・徴量元素及びビタミンを自然界のバランスでお届けできる最適の補助食品それがアルファルファです。
7.なぜマグネシウムとカルシウムのバランスが大切なのか
高血圧から動脈硬化へと症状が進むと、カルシウムを取り込んだ細胞が死んで動脈内に沈着します。それが血液の循環を悪くし、心筋梗塞につながります。

マグネシウムはこのカルシウムの沈着も防ぎ更にマグネシウムはカルシウムが血管を収縮させようとするのを防ぎ、血管を広げる作用もあります。

マグネシウムはなんとかして血液の循環の流れをよくしようとします。カルシウムを多くとればマグネシウムもかなりとる必要があるのです。
8.マグネシウムと健康
食生活の関係を研究している京都大学糸川教授は、日本人の食生活は年々欧米化しており、カルシウムとマグネシウムの比率も、最近はカルパーネ博士の値よりもっと高くなってきていると説明しています。

ではその比率はどれくらいが適当だろうか、糸川教授によるとマグネシウムはカルシウムの半分以上は必要だと言われています。日本人成人のカルシウムの所要量を1日600ミリグラムとするとマグネシウムは300ミリグラム必要となります。
9.循環器病と深い関係
日本では従来からミネラル類のうちカルシウムだけを重要視する傾向があります。食生活の改善もこの面だけが強調され、マグネシウムの摂取はほとんど無視されてきています。食生活を改めてもう一度見直す時期にきています。

マグネシウムが私達の生体に必要な重要ミネラルとして注目を集めています。マグネシウムが不足すると心臓病や高血圧などにかかる危険が高く、しかもカルシウムとマグネシウムを摂取するバランスもきわめて重要であることが分かってきました。

1978年フィンランドのカルパーネン博士は、具体的にこの事実を示しています。食事中のカルシウムの総量をマグネシウムの総量で割り、その値をカルシウム対マグネシウム比としました。

この比率と狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患の年間死亡率(人口10万対)との関係を国別グラフにすると『比率が高い程死亡率が高い』と出ています。
『カルシウムに比べてマグネシウムの摂取量が少ないと、心臓病で死ぬ危険率が高い』ことになります。
10.マグネシウムが欠乏すると
・震えや筋肉のけいれんが起きる

・気分がめいる・抑うつ症・不安感・錯乱などの異常

・ガン・老化・糖尿病の網膜症

・腎症などの血管障害動脈硬化

・心筋梗塞や脳卒中

・喘息・気管支炎・肺気腫

マグネシウムが不足すると、心臓病の危険が高くなるだけでなく、高血圧の誘発や不整脈の発生にもつながります。

またマグネシウムは生体内の色々な酵素やホルモンの働きに関与しているので欠乏すると神経の興奮性が高まり、震えや筋肉のけいれんが起きます。

気分がめいる・抑うつ症・不安感・錯乱などの異常も起こします。このほか、ガン・老化・糖尿病の網膜症や腎症などの血管障害の原因にもなっています。