1.アルファルファの概要
1. アルファルファについて
・ 和名:アルファルファ、ムラサキウマゴヤシ
・ 英名:Alfalfa,Lucerne
・ 学名:Medicago sativa L.
・ 豆科に属する多年生植物
・ アルファルファの起源は、小アジア、トランスコーカシア、トルクメニスタン、イランと考えられており、その後、地中海沿岸、北アフリカ、中東、ヨーロッパ、シベリア、北インド、中国に広がったと言われている。
・ 茎は高さが50cm~1mで直立しており、葉は3枚の小葉からなる。柔らかく甘味があるため食用葉としての利用も広まっている。アルファルファの種子を発芽させたもやしは糸のように細く柔らかいので、生食に向いている。アルファルファとは、ペルシア語の「最良の草」の意。
日本には江戸時代に渡来したが普及せず、明治時代以降に北海道で牧草として利用された。
栄養価が高いことから、アメリカではビタミン剤製造に利用されている。(出典:主婦の友社、料理食材大事典)
アルファルファの栄養学的研究は最近になって活発化し、マグネシウム、銅、鉄、マンガン、カルシウム、カリウム、亜鉛といった私たちのカラダに必要なミネラルとビタミンA、B群、Eなどのビタミン類にタンパク質、葉緑素、そして食物繊維などを豊富に含んでいることがわかりました。
食物繊維や、ビタミンA,K,B6,カルシウム、リン多種類の微量元素を豊富に含みダイエット食品として注目を集めています。
家庭でも手軽に栽培できるため、肥満が気になる人に好んで用いられています。
2.アルファルファの効能・効果
1.食物繊維が多いので、腸内の発ガン物質などの腐敗生成物を吸収し、便秘を改善2.ビタミンA,K.Uなどの栄養素が豊富
3.便秘が改善された結果、腐敗物質がすみやかに体外へ排出されるので、肝臓の負担が軽くなり、肌への美容効果が期待できる
参考:
ビタミンKは、1934年に発見された止血性ビタミンで、肝臓で作られる血液凝固因子の1つであるプロトロンビンの生成を助けます。ビタミンKが欠乏するとプロトロンビンが減少するので、出血しやすくなります。
Kはドイツ語のKoagulation(凝固)から名付けられたもので、植物などにも含まれますが、腸内細菌によっても生産、供給されます。
3.偉大なヒーラー
アルファルファは有名な生物学者のフランク・ボウアーによって、[偉大なヒーラー]の名前を与えられた植物である。彼はこの驚くべきマメ科植物の緑のなかに、八種類の必須の酵素が含まれているのを発見している。また豊富な繊維質を持っておりアルカリ性の強い植物で、多量の葉緑素が含まれています。その根は強大で5~10mの深層に達し、他の植物からでは得ることのできない、貴重な微量元素やミネラルを得られることで知られています。
鉄分、マグネシウム、リン、カルシウム、カリウム、亜鉛、マンガン、ケイ素、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンU等を含み、タンパク質、カロチン等も豊富です。
100gのアルファルファにはたくさんのビタミンAとビタミンKが含まれています。ビタミンKは出血を押さえ、血液の凝固を助けます。また成長期の子供が強い骨と歯をつくるのに十分なビタミンD、石灰、リンを含んでいます。
多くの医師が、胃の疾患、腹内ガスによる腹痛、潰瘍状態、食欲不振の治療にアルファルファを使っている。アルファルファはまた、良い緩下剤であり、自然の利尿剤である。
(小学館改定新版ビタミン・バイブル192より)
4.人とアルファルファの元素組成比
一般のアルファルファのミネラル組成を人間の元素構成と比較したものです。アルファルファと人との元素比率はよく比例しています。 このことは私達の食品に、とても適しておりミネラルを補給するのに安全だといえます。私達人間を含む総ての生命体(動物・植物)などはその生命を維持し活動させる為にあらゆる元素を有効に利用しています。
この元素バランスが保たれている状態を健康だとすれば、病気は必要元素が過不足を起こし、元素のバランスが失われている状態と言えます。 微量でも重要な栄養素(微量元素)が人間の必要量にちょうど良いバランスで補給することが健康維持には大切なことです。
表は環境の地球化学 「微量元素と健康」 山県 登 著より
C |
炭素 |
193700 |
113400 |
O |
酸素 |
628100 |
779000 |
H |
水素 |
93100 |
87200 |
N |
窒素 |
51400 |
8250 |
P |
リン |
6300 |
7010 |
Ca |
カルシウム |
13800 |
5800 |
S |
硫黄 |
6400 |
1037 |
K |
カリウム |
2200 |
1700 |
Mg |
マグネシウム |
400 |
810 |
Cl |
塩素 |
1800 |
700 |
Na |
ナトリウム |
2600 |
200 |
Si |
ケイ素 |
40 |
93 |
Fe |
鉄 |
50 |
27 |
Cu |
銅 |
4 |
25 |
Rb |
ルビジウム |
9 |
5 |
Zn |
亜鉛 |
25 |
4 |
Mn |
マンガン |
1 |
4 |
Sn |
スズ |
2 |
1 |
Br |
臭素 |
2 |
- |
I |
ヨウ素 |
1 |
0.03 |
Al |
アルミニウム |
0.5 |
25 |
Ti |
チタン |
- |
1 |
Co |
コバルト |
0.04 |
0.02 |
V |
バナジウム |
0.03 |
0.2 |
Ni |
ニッケル |
0.03 |
0.5 |
Pb |
鉛 |
0.5 |
0.5 |
B |
ホウ素 |
0.2 |
7 |
Mo |
モリブデン |
1 |
1 |
5.アルファルファで補給出来る栄養
βカロチンが豊富で緑黄色野菜の栄養化を倍増します。ビタミン類が豊富で特にビタミンA・B・Kが補給できます。
天然のビタミンC・ビタミンEが補給できます。
カルシウム・マグネシウムがたっぷり、しかも含有バランスが最適です。
カリウムが豊富で塩分の取り過ぎを緩和します。
鉄・銅のバランスが良く、鉄分のみの補給より栄養効果は有効です。
亜鉛・銅・マンガン等、微量元素を補給でき健康維持に力を発揮します。(マンガンは愛情のミネラル)
食物繊維が豊富で腸内有益細菌の増殖を促します。繊維の働きで食品添加物など、有害物質の吸収を防ぎます。
天然の葉緑素(クロロフィール)を補給できます。葉緑素はきれいな血液を作るのに欠かせません。
アルファルファ100g中 成分表
栄 養 素 |
含 有 量 |
効 用 |
ビタミンA |
10000~7000IU |
がん予防 |
ビタミンE |
20~15IU |
血流改善 |
ビタミンC |
50~40mg |
かぜの予防 |
ビタミンB1 |
0.5~0.4mg |
脚気の予防 |
ビタミンB2 |
1.5~1.2mg |
口内炎予防 |
ビタミンB6 |
1.2~1.0mg |
蛋白質の代謝 |
ビタミンK |
8~6IU |
蛋白質の代謝 |
ナイアシン |
9.0~7.0mg |
皮膚炎予防 |
葉 酸 |
1.0~0.8mg |
貧血予防 |
ビオチン |
100~85mg |
皮膚ビタミン |
イノシトール |
680~550mg |
抗不安作用 |
コ リ ン |
2.5~2.0mg |
コレステロールの低下 |
パントテン酸 |
6.0~5.0mg |
脂肪代謝促進 |
カルシウム |
1750~1500mg |
骨折予防 |
マグネシウム |
900~720mg |
高血圧予防 |
カリウム |
3800~3000mg |
筋肉疲労の改善 |
ケ イ 素 |
1000~ 900mg |
骨の成長維持 |
ナトリウム |
350~300mg |
体液のバランス |
リ ン |
500~400mg |
エネルギー源 |
鉄 |
300~270mg |
貧血の改善 |
銅 |
0.5~0.3mg |
貧血の改善 |
ヨ ウ 素 |
0.9~0.7mg |
甲状腺ミネラル |
亜 鉛 |
12.0~10.0mg |
精子の増加味覚障害 |
マンガン |
8.1~7.0mg |
ホルモンの調整 |
ニッケル |
2.0~1.5mg |
酵素の活性基 |
セ レ ン |
0.03ppm |
精子の活性基 |
クロロフィル |
200~160mg |
貧血の改善 |
キサントフィル |
25.0~20.0mg |
貧血の改善 |
食物せんい |
15000~13000mg |
便秘の改善 |
(季節により多少の増減があります)
6.野菜食べていますか?
野菜を毎日、食べることはそんなに難しいとではありませんね。多くの人は『野菜を食べない日はありません。だから安心です』と言われます。でも、1日400グラム以上となるとどうでしょう。実際に厚生省の報告でも、私たち日本人が食べている野菜の量は目標の80%だそうです。 しかも、大根やキャベツなどの淡色野菜やイモ類が主で、カロチンやミネラル、食物せんいが多く含まれている、緑黄色野菜の不足がとくに指摘されています。
平成27年の国民栄養調査で野菜摂取量の平均値は 293.6g であり、男女別にみると男性 299.4g、女性 288.7g です。こ の 10 年間でみると、総数、男女とも有意な変化はみられていません。
緑黄色野菜が不足すると当然ビタミン・ミネラル・微量元素の栄養も欠乏してきます。食品中の残留農薬や食品添加物などの化学物質や、日ごろの精神的ストレスがあると、私達の体は大量のビタミン・ミネラルを消耗します。
7.長い腸には野菜が一番
腸の長さは欧米人が約4m、日本人が約7mの腸の長さです。日本人が肉食すると、腸は長い分だけ腐敗便を作りやすく、動物性脂肪の影響などで大腸ガンや潰瘍性大腸炎、その他の成人病を引き起こす可能性は他の民族に比べて大きいことになります。
更に、1976年 遠藤医博臨床報告によると、緑黄色野菜を1日に500g~800gと多めにとれば『万病』に効くと言われています。これは緑黄色野菜の中に含まれるビタミン・ミネラル・微量元素の働きだと実証されています。野菜の中でも最も栄養価の高い野菜は緑黄色野菜です。アルファルファは緑黄色野菜の王様で、その豊富な栄養の種類と成分は他に見当たりません。
8.6大栄養素
私たちのカラダに必要な栄養は、大きく分けて6つの栄養素(蛋白質・脂肪・炭水加物・ビタミン・ミネラル・食物繊維)で構成されています。 これらの栄養素を私たちは毎日の食事で、摂りすぎたり、不足させないようにバランスを考えて摂らないと、いろんな病気の原因になります。 野菜、とくに緑黄色野菜はこの6大栄養素のうち、ビタミン・ミネラル食物せんいを補給してくれる現代人にとって今、一番必要な栄養素といえるでしょう。
9.野菜不足によっておこる障害
貧血、肥満、便秘、肩凝り、副腎機能の衰え、脚気、腸内腐敗菌の増加、情緒不安定、胃弱、低血圧、高血圧、心臓病、肝臓、糖尿病、皮膚炎、喘息、皮膚の衰えなど。(注1)緑黄色野菜は可食部100グラム中にβ-カロチンを600μg以上含んているものをいいます。現在の野菜は品種・栽培条件で含有量が異なっています。
現代の日本人に不足しがちな緑黄色野菜
食生活の欧風化がすすむ中で、脂肪や動物性たん白や糖分等の摂取量が増大して、現代人のアンバランスな栄養状態が危惧されています。 最近の報告では子供たちの食生活にも影響がでており、舌ざわりの良い食品を好む子供たちが増え、緑黄色野菜の代表であるニラ・ホウレン草やニンジンが嫌いな食品のトップになっています。 このように緑黄色野菜の不足は大きな社会間題にまでなってきています。そして、それを裏づけるようにガンや成人病が増え続けています。
欠けた桶に水をどんなに入れても、最小部分を限度として水は外へ流れ出してしまいます。 栄養もそれと同じで、他の栄養をどんなにとっても、最小量に合わせた分以外の養分は栄養として利用されず、結局は負担になり健康を害します。