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がんに関する情報

アポトーシス誘導でガンと闘え

(塚田 欣司 著/東洋出版社)

ガン細胞をアポトーシスに導くCPL(環状重合乳酸)

役目を終えた細胞や異常に生まれた細胞は生体を守るために自ら死んで行き、正常な細胞交代が司られている。

細胞が自滅することなく無限に増殖を繰り返していくのがガンであるが、CPLはガン細胞だけを見分けて、エネルギーを作り出す過程をブロックしてしまい、ガン細胞が生命活動を維持することが出来なくなり自滅させる。

驚くことにこの時正常細胞には一切害を与えない。逆に正常な細胞を活性化する作用もあり、患者の生命・生活の質を向上させる。

ガンにとって自ら増殖するためには、中心部の細胞まで生かしておく必要がなく、中心部の細胞を自滅に導くCPLを自分で産出するというメカニズムをプログラムしている。

エネルギーを作るための中心的な役割をするLDH(乳酸脱水素酵素)が正常に働かねばいくら栄養が補給されてもエネルギーの産出は出来なくなる。

ガン細胞はLDHを変形させてエネルギーを得ている。CPLはこの変形した酵素だけに作用してエネルギーの産出を阻害する。

固体が生命を維持していくためには、基本的な単位である細胞にエネルギーが産出されなければならない。ガン細胞だけを選んでエネルギーの産生を阻害して死へ追い込むのがCPLである。

環状重合乳酸の発見 ガン細胞のアポトーシス

ガン細胞の培養液がガン細胞の成育を抑制していることが培養実験中に出現し、この物質を追求した結果環状重合乳酸であることが分かり、その後乳酸より合成することが可能になった。その後CPLの有効性や安全性が次々と証明されていった。

経口投与による副作用もまったく認められず、急性致死量検査でも、限界投与量でも何一つ異常を認めなかった。一般の乳酸はエネルギーを再生生産するために有用な物質であるが、その構造は鎖状にまっすぐつながっている。CPLは縮合によって環状となり、アポトーシスに働くことが出来る物質となる。細胞に必要なエネルギーはATP(アデノシン3-リン酸)が分解するときに得られる。ATPの産生プロセスは一段階として酵素を用いない嫌気的解糖系によって糖がピルビン酸と乳酸になる過程に作り出され、ブドウ糖1ケより2ケのATPしかできない。

第二段階ではピルビン酸がミトコンドリアへと入りTCAサイクルの過程で、酸素を使って効率よく32または34個のATPが産生される。乳酸は肝臓を通してブドウ糖に戻る。

解糖系で働く酵素類にLDHとNADという補酵素がある。ピルビンさんを少量の乳酸に変化させるために水素をNADがピルビン酸に運ぶ、運ばれた水素をピルビン酸に渡すときに必要な酵素がLDHである。

水素を渡し終えるとNADが再びグリセルアルデヒト3-リン酸に行き水素を自分にくっつけてピルビン酸に運ぶ、水素が外れたグリセルアルデヒト3-リン酸は1,3-ビスホスホグリセリン酸となり、さらに反応が進み、その過程でATPが産出される。

CPLはガン細胞のLDHの働きを阻害する。水素を渡せなくなったNADは元のNADに戻ることが出来ず解糖系の化学反応がそれ以上進まなくな。

ガン細胞はミトコンドリアがほとんど機能しないで解糖系によってエネルギーを得ているのでエネルギーを生むことが出来ずに死滅(アポトーシス)に追い込まれていく。

正常な細胞のLDHにはH型とM型の2ッのタイプがあり4ケずつ集合している、臓器や組織によって異なるものの、これらの5タイプのいずれかになる。ガン化するとこのLDHがLDH-Kという変形構造へ変化してしまう。CPLはこの変形したCPL-Kが水素を結合したNADH2と接触するのを妨害する。ガンの種類を問わない。ガン細胞自滅プログラムに副作用がない。

第2章は著効、有効例、臨床治験例, 症例などの記載

肺ガン、肺腺ガン、胃ガン、直腸ガン、前立腺ガン、腎臓ガン、大腸ガン、悪性リンパ腫、臓ガン、悪性卵巣腫瘍、脳腫瘍、舌ガン、肝臓ガン、舌咽喉がん、乳ガン

第3章はメラノーマのアポトーシスのメカニズムについて

第3章はメラノーマのアポトーシス、咽頭ガンのアポトーシス、in vitro、胃ガン、結腸ガンについて及び概要に記したメカニズムについての記載

(第4章)は、ガンの転移を抑制

(第4章)は、ガンの転移を抑制する。疼痛を軽減する。抗ガン剤の副作用を軽減する。免疫力を高める。などについて記載。

第5章 正常な細胞を活性化するCPL

正常な細胞が元気な状態を保つためには十分な酸素が供給されエネルギーが得られるということである。呼吸によって体内に入った酸素は、赤血球のヘモグロビンと強く結合して細胞へと運ばれる。細胞に到着したヘモグロビンは酸素を切り離す。

2,3-ビスホスグリセリン酸(2,3-BPG)という物質がヘモグロビンと結合することによって酸素をスームズに切り離し、それぞれの抹消細胞に酸素を供給することが出来る。これで細胞は酸素をしっかりと受け取り、TCAサイクルでたっぷりのATPを産生する事ができる。

2,3-BPGの量的な変化に影響を与えるピルビン酸キナーゼという酵素がある。ピルビン酸のひとつ前の段階からピルビン酸になすのに不可欠の酵素であるが、CPLにはこのピルビン酸キナーゼをコントロールする作用がある。それによって赤血球の2,3-BPGが適量に増加し酸素放出が適正化され、TCAサイクルでのATP産生が効率化され、60兆個の細胞が活性化され、組織の機能や免疫機能が活性化する。したがってあらゆる病気に対して有効な作用を及ぼす。

第6章 婦人科系疾患、生活習慣病、肝臓病、ストレスなどを改善する。
婦人科系疾患では血行障害により酸素が十分に供給されないことで細胞が異型変異細胞となってしまう。異型細胞になると解糖系しか働かなくなりATP産生が極めて少なくなってしまう、そこでCPLによって赤血球中の2,3-BPGを増加させ十分な酸素を供給しATP産生を助けることによって婦人科系疾患に効果を表す。
その他の症例や説明も2,3-BPGの調節による細胞への酸素供給の改善により細胞を活性化することによって諸病を改善治癒するということを繰り返し書かれている。