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納豆菌と腸内細菌(5)

1.納豆菌効果
便秘や下痢の原因になる腸の腐敗菌の働きを抑制する。 体内で長生きするしぶとさ
納豆菌には次のような効果があることが知られています。

1.体内に入った悪い菌の増殖を押さえたり、殺したりする抗菌性が強い。

2.便秘や下痢の原因になる腸の腐敗菌の働きを抑制する。

3.制ガン作用がある。

4.血圧の上昇を防止する作用がある。

5.血栓の形成を妨げる作用がある。

6.すい炎を改善する。

このような効果が実験や研究によって指摘されていますが、これらの中でも特筆すべきものが、2.の「便秘や下痢の原因になる腸の腐敗菌の働きを抑制する」効果です。「なぜ納豆菌が便秘や下痢によいのか」ということを、もう少し詳しく説明したいと思います。
2.納豆菌は、枯草菌の仲間
名は体を表わすと申しますが、「枯草菌」は枯れ草を生活の場にしています。「納豆菌」もこの「枯草菌」の仲間なのです。ワラには数えきれないほど無数の目に見えない微生物がいるはずなのに、納豆の中には納豆菌しか見あたらないようです。このような状態のことを難しい言葉では「菌叢」、英語では「ミクロフローラ」といいます。ヨーグルトや漬物、独特の風味が売り物のチーズ、いずれもある決まった微生物が発酵にかかわっています。 納豆菌を含め、これら目に見えない生き物の世界でも、熾烈なサバイバル戦争が繰り広げられその戦いに生き残った勝者が納豆菌であり、乳酸菌であるわけです。枯れ草は乾燥していて微生物にとって必ずしも好ましい食べ物とはなりませんが、それでも小さくて目に見えない生き物が数えきれないほどいます。

雨が降ったりして適当に水分が補給されると、一斉に繁殖を始めます。そうすると「発酵熱」が発生しさまざまな微生物が熱で死んでいく中、「枯草菌」や「納豆菌」はからだの中に「胞子」と呼ばれる熱にも乾燥にもびくともしない隠し玉を持っているので少々の熱にはへっちゃらです。こうして納豆菌だけがサバイバル戦争の勝者となるのです。
3.老年期に入るとビフィズス菌が減少
赤ちゃんのお腹の中でビフィズス菌の占める割合はじつに95パーセント以上にも達しますが、離乳期を過ぎるとビフィズス菌の種類も乳児型から成人型へ変化し、その占める割合も10パーセントくらいまで減ってきます。安定した腸内細菌のバランスも老年期に入るとビフィズス菌が減少し、大腸菌や腐敗菌といわれるウェルシュ菌が優勢になります。

健康な人のお腹の中ではビフィズス菌のような善玉菌が腸内では優勢勢力の1つであることには変わりはなく、ウェルシュ菌のような悪玉菌や外から入ってきた病原菌が増えないようにニラミをきかせているのです。

善玉菌をいかにして増やすか
では、ビフィズス菌のような善玉菌はどのようにすれば、増やすことができるのでしょうか。化学肥料に頼りすぎて大地に力がなくなり病気に弱い野菜を農薬に頼って商品化している野菜より、多くの消費者は無農薬野菜を求めます。篤農家は土作に懸命で大地にミネラルのバランスを整え有機肥料を与え有益土壌微生物の力を最大限引き出そうと懸命です。私たち人間の大腸小腸の機能も植物の根と共通する働きと周りの環境に置かれています。ビフィズス菌をはじめ腸内有益菌を増やすためにミネラルバランスの良い食品や、食物繊維を多く含む食品を摂ることです。このことがビフィズス菌などが増える好環境といえます。別章で述べますがアルファルファは食物繊維も豊富で、ミネラルバランスの良い食品で特に現在の食生活で不足しがちな微量元素をバランスよく含んだサプリメントです。