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納豆菌と腸内細菌(3)

1.納豆菌BN株
納豆菌は、いわゆる枯草菌の一種で、内生胞子芽胞を形成し、自然界において最も安定した細菌種である。その食物消化作用は蛋白分解酵素、デンプン分解酵素を始めとして極めて強力であり又、ビタミンB群を産生し、乳酸菌等の腸内有益菌の増殖を促進する。更に更にBac-ilipinやSubtilin等の抗菌性物質を産生することも知られており、その他近年納豆菌の抗癌作用や免疫機能増強作用も報告されている。当社は長く納豆菌に関する研究を行ってきた結果、独特な納豆菌BN株を用いて最も有効な形で製剤化する事に成功した。
2.納豆菌BN株にガンの抑制効果
納豆菌を研究している学者は何人かいますが、納豆菌を専門に、継続的に、研究している現役の学者となるとさほど多くはありません。「納豆菌を飲んだ時の医学効果の研究」となると、実に限られてきます。それと言うのも、納豆菌は純粋培養がとても面倒だからです。研究には、安定した一定品質の納豆菌の培養が欠かせないのですが、納豆菌そのものの医学的な働きについての研究でいちばん有名なのが、昭和42年、金沢大学の亀田幸雄博士によって行なわれた制ガン効果の実験でしょうか。

亀田博士は、次のような実験をしました。「両足の付け根にガン細胞を移植したハツカネズミの片方の足にだけ、納豆菌を注入してその後のガンの発達を観察したところ、納豆菌を注入しなかった足にはガンが発生していたが、注入したほうにはガンはなく、あったとしても半分以下の確率だった。」このことが新聞に発表されて大きな話題となりましたが、納豆菌がどんなメカニズムでガンを抑えるかについては不明な部分がありますが、ガンの抑制効果があることは間違いないようです。

又、横浜市立大学医学部細菌学教室(主任:田所一郎教授)らによって行われたいわゆる納豆菌の免疫調節能と題する論文で以下の報告もある。

使用菌株:ナットウ菌BN株は目黒研究所より分与を受けた。

BN菌体非投与群では細胞移入後5~6日頃より腹部が膨隆しはじめ、12~16日間で全マウス17匹が死亡した。これに反しBN菌体投与群では15~16日頃より腹部が膨隆するマウスも観察され、21~28日にかけて6匹のマウスが死亡したが、11匹は観察終了35日までMM102細胞が生着することなく生存した(図1)。

図1 BN菌体の腫瘍増殖抑制効果





腫瘍細胞移入後の日数(日)
腫瘍細胞のみの・・・腫瘍細胞十BM菌体接種したマウスのそれぞれの生存曲線を示す。

3.納豆菌の強さを証明 乳酸菌の比ではない
納豆菌は活性酵素をいっばい生み出しますがこれが消化活動を活発化し、食べ物の消化を助けます、チーズ、ヨーグルトといった乳製品、あるいは糠漬けや味噌といった発酵食品を食べるとき、あなたは生きた乳酸菌やカビを一緒に食べていると感じますか。ヨーグルトの場合は、生きた乳酸菌というのがセールスポイントになっていますが、納豆菌の強さでいったらその比ではありません。

納豆菌の強さを証明したのが、農水相の研究員が行なった実験でした。その研究員はビフィズス菌や納豆菌などを同時に摂取し、便を採取して便の中に残っている腸内細菌の種類を調べてみると、生きて採取されたのは、納豆菌ただ一つ。ビフィズス菌もなければ乳酸菌もなし。もう一つ、納豆菌のしぶとさは、その「長生き度」にあります。

他の腸内細菌は、寿命が短く、弱く、それゆえに随時補給しなければ、腸での長い活躍が期待できないのですが、どっこい、納豆菌は長く生きています。1度経口投与すると、4日から5日排便されてもその中に多量に検出されるのですから、そのしぶとさは驚くべきものと言えましょう。

この強さが納豆菌の大きなポイントであり、整腸効果が高い根拠の一つなのです。口から入った納豆菌は、空気と水と温度と体内の食物の栄養を得て、分裂繁殖を繰り返し、大腸全体に広がって何日も腸の中をガードし、清掃します。それゆえに他の腸内細菌などよりも持続した高い効果が期待できるのです。納豆菌が生きたままお腹の中に入り、善玉乳酸菌の繁殖を応援したり、新たな栄養成分をつくるなど、めざましい働きをするのです。つまり、腸内細菌のバランスを整え、下痢や腸炎を予防し、便秘をも防ぎます。整腸作用はその賜物といえましょう。