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がんに関する情報

「余命三ヶ月」のウソ

(近藤 誠 著 / 要約 発行者 ベスト新書)

前書き

ガンは最後までハッキリしていて、対処法を間違えなければ体も割りと動きます。全く痛まないガンも多い。痛みが出てもコントロールできます。

元気な人があっという間に変わり果てた姿で逝くのはガンの治療のせいです。マンモグラフィだけで見つかる乳がんも99%以上がんもどきなのです。

病状が同じでも命の持ち時間は人によって全く違う。余命宣告なんてとても出来ません。

第一章 偽りだらけの余命宣告

リスクヘッジのために余命宣告は短めに言う。どうして脅しにかけて治療させたいのか。治療しないと医者としての仕事が無くなる。自分たちが暮らして行けないからです。医者は恐怖を逆手にとって余命を短く言うほど治療がしやすくなる。手術の合併症や抗癌剤の毒で患者が亡くなった時も「先生方はあらゆる手を尽くして下さった」と感謝してもらえます。

余命三ヶ月と決め付ける医者の目的は患者を治療に追い込むための脅しです。
ガンの病巣が大きくなるスピードは患者さんによって全く異なります。

だから正確に判断するためには増大スピードを調べる必要がある。その観察に三ヶ月以上掛かります。肝転移で命が危なくなるのは、肝臓の体積の8割程度を転移病巣が占めるようになったときです。

三ヶ月毎の検査で増大スピードを調べる作業が必要であり、こうした作業を経ないで下された余命判断は全く当てになりません。

また検査によって早期発見されるようになった分だけ見掛け上の生存期間が延びるように見えます。手術による後遺症、合併症のリスクも大きく、生存率は手術してもしなくても変わりません。

放射線は手術よりはるかにダメージが少なく治療後は今までどおりに活躍でき、生存率も手術と変わりません。

抗癌剤も副作用が強く延命効果は見られないと欧米で言われております。ガンは苦痛などの症状が無い限り治療しないで様子を見るのが一番快適に長生きできます。

第二章 余命とはなにか

ガンは治療で殺されない限り余命三ヶ月と医者から言われても、数ヶ月から10年以上に及ぶほど余命の幅は長いのです。生存期間中央値とは、その集団の半分、50%の患者さんが亡くなるまでの期間で余命の幅は大変広く、治療さえしなければ宣告より長生きできる可能性が高いのです。

ガンの発見が早かった人は、遅かった人より診断が着いてからの生存期間は延びますが、見かけ上の延命数値で見掛け上生存期間が延びただけです。

最初のがん幹細胞が生まれた時、固形がんは治療してもしなくても生存期間は変わらない、延命の可能性はむしろ無治療のほうが高い。

『今一番やりたいこと、出来ることを心をこめて行っていく。自分らしく大切に生きる。今この時をよく過ごす』事に尽きます。

第三章 ガンとはなにか

ガンは他の臓器に転移すると治ることはありません。逆に臓器に転移が無ければ直る可能性が高い。運命はガン幹細胞で決まります。

先ずは (1)組織検査でガンが確認された。

(2)定期的な検査のデーターがあり、その検査を行った医者からデーターをもらえる。

などで 本当にガンなのかを確かめること。

ガン細胞と正常細胞の遺伝子は構造や機能がほぼ共通している、だからガン細胞を殺す抗癌剤は必ず正常細胞も殺してしまうことになる。

ガンは肝細胞の時点で直径0.1mmでも転移する能力を持っている。どんな最新鋭機で検査しても直径1cm前後にならなければ転移巣として見つけることが出来ない。転移が見付かったら症状の緩和、延命と言った現実的な目標を立ててください。

手術を勧められても、一旦切り取った臓器や神経は二度と再生しません。医者の判断や手元の狂いで重い障害や死に直結します。その後どういうことになるのかを出来るだけ具体的にシュミレーションしてください。

良性のがんもどきとは異なり本物の固形ガンは手術に非の打ち様が無くとも必ず再発します。
高精度放射線治療、ピンポイント照射などがうまれ、小さなガンから比較的大きなガンまで高線量を病巣だけに集中的に照射する技術が進み、治せるガンも多くなってきました。

重粒子線治療は照射すると一定線量あたりの細胞に与えるダメージがX線よりはるかに大きい、線量分布にピーク部分があり、ガンにピーク部分を重ねて照射すれば、手前の正常細胞の線量が低くなり、後遺症のリスクが小さくなる。

理論的にはそうですが、大きなガン病巣や再発病巣などの難治ガンは重粒子線でも治せない。
免疫ではガンを防げない。ガンは自己細胞が変異したもので免疫細胞がガン細胞を敵とみなさないからです。

固形ガンの最善の治療法は無治療、治療は生活の質(QLO)を維持するためにやれば十分です。苦痛を和らげる緩和ケアをしてもらう、ネットでリサーチしたり、別の病院の医者のセカンドオピニオン・サードオピニオンを求めるなどよくよく調べて納得してから治療法を選び取ることです。

欧米では胃ガン検診も肺ガン検診も無効とされ行われていません。検診で乳癌や子宮ガンによる死亡を防げる可能性は限りなくゼロに近い。

欧米ではガン細胞が浸潤または他の臓器に転移しないうちはガンと認めない。
これに対し日本では顕微鏡で見たガンの顔つきや組織構造を重視して、その経過を予測し、早めにガンと診断しています。転移を起こさない良性と転移する悪性との区別が無い。

医者にだまされない心得 ① 元気なのに「余命三月」 「余命半年」はありえない。

② 人はガンですぐには死なない。

③検診を受けない。受けても忘れる。死への恐怖だけが増幅され、むやみに心身を消耗させるだけです。

④リンパ節まで切り取ってもガンは治らない。

⑤検診で受ける放射線量に要注意。回数を重ねれば無視できない。

⑥治療法が一つだけと言うことは無い。

⑦セカンドオピニオンは、大学の系列が違う、違う診療科の医者を選ぶこと。

⑧「免疫力」より「抵抗力」症状や治療など身体への負担に耐えうる細胞の「抵抗力」を。

⑨無治療が最高の延命策
医者は生活のため。無治療は勧めませんが自分の体、自分の命、最後は自分で選び取るしかない。

第四章 余命を縮める抗癌剤の正体

抗癌剤は猛毒である。治る成人ガンは急性白血病、悪性リンパ腫、睾丸のガン、子宮絨毛ガンの4つ、全体の約一割程度。

固形ガンの場合は必ずリバウンドして再発し、辛い副作用と寿命を縮める作用しかない。何故抗癌剤がガイドラインになるか、それは病院、製薬会社、行政、学会幹部、専門医、天下りなどの利権が絡んでいる。

アメリカ議会に提出された技術評価局報告書は『抗癌剤、放射線などは病巣を一時的に縮小させるが、この縮小は無意味であり、延命効果は認められない上に、患者の生活の質を悪化させる』と断定している。

日本では抗癌剤としての認可基準が二割の患者が四週間だけでも腫瘍の大きさが半分以下になればよい。治療効果や延命効果などは考慮されていない。八割の人には無効で副作用のみしかもたらさなくとも認可されるのです。

分子標的薬は慢性骨髄性白血病には目覚しい効果があったが、そのほかのガンでは認められませんでした

細胞内の分子の働きが複雑だから二万種以上もの蛋白の一つを分子標的で抑えこんでも、他の蛋白によって細胞機能を維持できる場合が多いからです。

ターゲットになる蛋白は正常細胞にも存在するので、それを死滅させた結果毒性が生じるため、十分な量を投与できないからです。

第五章 予防医学が余命を削る

ガンの早期発見早期治療、つまり検診が有効だと言う医学的証拠は世界中を見渡しても一つもありません。放射線には明らかに発ガン作用があり日本人の医療被曝は世界一多い。ガンには転移するガンと転移しないガンもどきがある。

治療は痛みが出てからで十分です。早期発見してもガン死は減りません。早期発見できる大きさになる前に転移するガンは転移している。

転移しないものは放置しても大きくなるだけであって死ぬことは無い。意味の無い健診、ガン検診、人間ドックに人手を取られ救急医療など必要な部分が手薄になっている。

欧米でガン検診が廃れたのは、比較試験の結果、検診してもしなくても死亡率はほとんど変わらないと言う結果が出たからです。カナダの五万人の調査でレントゲンによる乳癌検査マンモグラフィーでは総死亡数は検診を受けた群のほうが高かった。

女性で乳管内乳癌と呼ばれている病変の99%は乳腺症にすぎない。
子宮頸がんの原因は性行為で感染するウイルスによるもので遺伝子の傷ではなく、感染が原因の上皮細胞の慢性変化、慢性感染症でしかありません。

放射線治療ならば手術と比べものにならないほど合併症や後遺症が軽く済みます。原発事故のあと国が避難の目安にした年間被ばく線量は20ミリシーベルトです。CTスキャンの被ばく線量はレントゲンの200~300倍位で、一回の検査でも10~20ミリシーベルト。一回の検査でその数値になるのですが、国や医療機関は医療被曝の危険など無いと偽りの説明を繰り返しています。日本で行われているCT検査の8~9割は必要ないものなのです。

検診は受けないほうが良い。メタボ検診でなにか言われてもよほどの肥満体でない限り、好きなものをバランスよく、楽しく食べるのが長寿の元です。
本人が病気と思っているのは、ほとんど老化現象で医者にかかり薬を飲んで治せるものではありません。

第六章 限られた余命をどう生きるか

人間はどんな極限状態に置かれても、自分の意思でくじけないでいられるし、最後の瞬間まで感動し続けることが出来るのです。出来るだけ明るく、みんなの負担にならないように死んで逝きたい。

痛いのや苦しむのは嫌だし、チューブで繋がれるような尊厳の無い闘病生活も何とか避けたい。食事、呼吸、排泄だけは損なわれないように狭くなったらステント挿入術などして、痛みは鎮痛剤やモルヒネでコントロールする。出来る限り今までと同じ生活を続けたい。

ガンになって命運を握るのは治療法の選択です、治療法は自分で考えて決めましょう。

治療法の決め方
ガン細胞と共生する道を考える。
早期がんも進行がんも発見までに何年(5~30年)も経っている、治るか治らないかは診断前にほとんど決まっている。

治療を受けることが損か得か、どの治療法にするか考えよう。
治療のデメリットのほうもよく考えよう。日々の生活能力が保たれ、これからの日常をより楽に過ごすことが出来る治療法を選ぶ。

ガンの切除手術はほとんど役に立たず、手術以外の治療法で十分という例が少なくない。
放射線治療を選ぶ、抗癌剤は副作用のみで効果は認められないので避ける。

手術を選択する場合でも、ガンの転移や再発予防と称してリンパ節の廓清を広い範囲行うが、世界的にその意味が認められていないので、縮小手術でよい。

この手術には1%の可能性があると言われたら100%助からない。
あらゆる情報源に当たり、治療成績や生存率のデーターも調べては判断の材料を出来るだけ豊富にしよう。

付録 ガンに関するアンケート結果

大腸ポリープはガンには移行しません。大腸がんはいきなり発生する。PS検査で見付かった前立腺ガンは99%良性で、正常に戻ることも珍しくない。

ガンは遺伝子の病気ですから分裂スピードは、最初に突然変異したときに遺伝子によって規定されます。どんな方法をとっても変異遺伝子を元に戻したり、取り除くことは出来ません。

心理的なストレスが直接発ガンの引き金になったり余命を左右するとは考えにくい、肉体的なストレスの偏りなどが遺伝子を傷つけたり、細胞の抵抗力を弱める原因となり、発ガンを促したり余命を縮める原因になります。

ガンと言う病巣は手術や抗癌剤で体を痛めつけなければ最後まで比較的頭がハッキリしているし、痛みもコントロールでき、体も割りと動きます。対処を間違えなければ自分らしく人生を終える病気だと思います。誰が先に逝くか分らないから、命ある今が輝く。お互い今日一日を大切に生きましょう。嵐の夜にも決して希望を失わないで。